ワーキングホリデーで就ける仕事は、語学力の要求水準で層が分かれます。
会話がほとんど不要な仕事から、交渉が必要な仕事まで。自分の水準に合わない職種を狙い続けると、仕事が決まらないまま資金が減ります。
職種ごとに、必要な語学力と条件を見ていきます。
語学力で分かれる4層
- 会話が少ない:農場・工場・清掃
- 会話が中程度:小売、キッチンハンド
- 会話が多い:飲食のホール、ホテルのフロント
- 専門性が要る:IT、デザイン、美容
- 多くの国で同一雇用主のもとで働ける期間に上限がある

1.
飲食店の
ホールスタッフ
求人数が最も多い職種のひとつです。
必要な語学力は中程度から上。注文を聞き取り、質問に答え、クレームに対応する必要があります。聞き返す回数が多いと業務が回らないため、リスニングの負担が大きい。
一方、業務内容は定型的です。使う表現の種類は限られているため、慣れれば対応できる範囲に収まります。
チップ制度のある国では、基本給に加えてチップが収入になります。国によっては、この比率がかなり高い。
日本食レストランは入りやすい一方、日本語環境になりやすく、語学の伸びは限定的です。最初の足がかりとして使い、慣れたら移るという使い方が現実的です。
2.
バリスタ
カフェ文化が根づいている国では、独立した職種として扱われます。
技術が要求されるため、未経験からいきなり採用されることは多くありません。国によってはバリスタ養成のコースがあり、修了証を持って応募する形が一般的です。
技能が身につけば、その後の就職にも使えます。他の国へ移っても通用する技能という点で、投資の価値があります。

3.
小売店の
販売員
語学力の要求は、扱う商品によって変わります。
衣料品や雑貨のように、商品を見れば分かるものは負担が軽い。一方、説明が必要な商品を扱う店では、会話量が増えます。
レジ業務が中心なら、覚える表現は限られます。金額、支払い方法、袋の要否。定型のやり取りです。
日本人旅行者の多い土地では、日本語ができることが採用の理由になる場合もあります。
4.
農場・工場での
作業
語学力の要求が最も低い層です。
作業内容が明確で、会話の必要が少ない。指示さえ理解できれば業務が成立します。
賃金は出来高制の場合があり、作業の速さが収入に直結します。慣れるまでは効率が上がらず、想定より稼げないことがある。
オーストラリアでは、指定地域での特定業務に88日以上従事することが、2年目のビザ申請の要件になっています。このために農場で働く人は多い。
労働環境には差があります。過酷な条件や不当な扱いの報告もあるため、口コミや評判を確認してから決めてください。
5.
ホテルの
フロント
語学力の要求が高い職種です。
予約の確認、料金の説明、苦情への対応。すべて正確なやり取りが求められます。加えて、宿泊客の出身国が多様なため、さまざまな訛りの英語を聞き取る必要があります。
一方、ハウスキーピングであれば会話はほとんど不要です。同じホテルでも、部門によって要求水準がまったく違います。
フロント業務の経験は、履歴書に書ける職務経験として機能します。語学力に自信がついてから狙う職種と位置づけるのが現実的です。
6.
専門職
IT、デザイン、美容、調理。日本で技能を持っている人なら、その技能で働ける可能性があります。
注意点は資格です。医療、法務、会計など、国家資格が関わる職種では、現地の資格を取り直す必要があることが多い。
美容師も国によって免許制度が異なります。日本の資格がそのまま使える国は限られます。
ITやデザインのように資格を要しない分野では、ポートフォリオが語学力の不足を補うことがあります。作品を見せられる状態にしておくことが重要です。
仕事選びで
意識すること
5つの判断基準
- 同一雇用主で働ける期間の上限を確認する
- 日本人が多い職場は、収入は得られても語学は伸びにくい
- 最初の1〜2か月は条件より「採用されること」を優先
- 労働条件は書面で確認する(時給・労働時間・支払日)
- 税務登録の番号を早めに取得する
同一雇用主の期間制限は、案外知られていません。オーストラリアでは6か月が目安とされており、それを超えて働き続けるとビザの条件から外れます。
また、最低賃金は国ごとに定められています。それを下回る条件を提示された場合、違法な雇用の可能性があります。現地の最低賃金を調べておいてください。
仕事の
探し方
職種が決まったら、探し方です。
求人サイトが基本になります。国ごとに主流のサイトが違うため、渡航先で使われているものを調べてください。日本人向けの求人サイトもありますが、掲載は日本食レストランや日系企業に偏ります。
店舗に直接持ち込む方法も、飲食や小売では有効です。履歴書を持って営業時間外に訪ね、責任者に渡す。国によっては、この方法が求人サイトより効率的です。
紹介も大きい。現地で知り合った人からの紹介は、採用に至る確率が高い。到着後に人間関係を作っておくことが、仕事探しの下準備になります。
履歴書の形式は国ごとに違います。写真を貼る国と貼らない国、年齢を書く国と書かない国。日本の形式をそのまま出すと、不利になることがあります。
話せる量で選べる仕事が変わる
ワーホリの仕事は、語学力の水準で就ける職種が決まります。会話の少ない仕事から始めて、語学力がついてから接客に移るという順序が現実的です。
渡航先が決まったら、その国の最低賃金と、同一雇用主の期間制限を調べてください。この2点が、仕事選びの前提条件になります。







