ワーキングホリデーのビザは、多くの国で最長1年です。ところが実際に1年以上滞在した人は、全体の1割強にとどまります。
留学エージェントのスマ留が行ったワーホリ経験者の調査では、滞在期間の分布はこうなっています。
- 5か月以上1年未満:49.9%
- 1か月以上5か月未満:27.6%
- 1年以上1年半未満:8.2%
- 1か月未満:7.7%
- 1年半以上2年未満:1.8%
- 2年以上:1.6%
最も多いのは5か月から1年未満で、ほぼ半数。1年を超えたのは合わせて11.6%です。「1年間行ってくる」と話していた人の大半が、実際にはそれより短く切り上げている計算になります。

1.
制度上の上限と
実際の滞在期間
制度の側は1年を用意しています。イギリスのYMSは最長2年。オーストラリアは条件を満たせば2年目、3年目のビザを申請できます。
オーストラリアの延長には具体的な条件があります。2年目のビザには1年目に指定地域で88日以上、3年目のビザには2年目に179日以上の特定業務への従事が必要です。農業や漁業、建設などが対象で、連続している必要はなく、複数の雇用主のもとでの日数を合算できます。
つまり「同じ国で2回目は取れない」という説明は正確ではありません。原則は1か国1回ですが、オーストラリアのように条件つきで延長を認める国があります。
2.
途中で帰国する
理由は一様でない
短く切り上げる理由を「挫折」でひとくくりにするのは誤りです。調査に表れた分布の背景には、性質の違う事情が混ざっています。
日本での就職活動の日程に合わせて戻る人がいます。想定より早く貯金の目標に届いた人もいる。逆に、生活費が想定を超えて資金が尽きるケースもあります。旅の途中で別の国に関心が移り、ビザを使い切らずに次へ向かう人も珍しくありません。
言語の壁や孤立感で消耗して帰る人も確かにいます。ただしそれは理由のひとつであって、全体を説明するものではない。

3.
期間は
何から決めるか
滞在期間を先に決めてから計画を立てると、たいてい途中で破綻します。決める順番は逆です。
期間の決め方
- 渡航資金と現地での想定収入を先に計算する
- 帰国後の予定(就職・進学・復職)の期限を確認する
- その2つが許す範囲で最長の期間を仮置きする
- 現地で3か月過ごしてから、延長か短縮かを判断する
ビザの有効期間いっぱいまで滞在する義務はありません。早く帰ることによる罰則もない。上限は上限であって、目標ではないと考えるほうが現実的です。
4.
短くても
不利にはならない
「1年やり切らないと中途半端」と考える人がいますが、滞在の長さと得られるものは比例しません。3か月で目的を果たして帰る人と、1年いて何も決められずに帰る人がいます。
採用の場面でも、問われるのは期間ではなく何をしたかです。半年で現地の職場に入って働いた経験は、1年の観光滞在より説明しやすい。

1年いる人のほうが実は少ない
データが示しているのは、1年フルで使うほうが例外だということです。半数は5か月から1年未満に収まっています。
計画を立てるなら、まず資金と帰国後の予定という動かせない条件から逆算してください。期間は現地に着いてからでも調整できます。
出典:スマ留「ワーキングホリデーの実態調査」/日本ワーキング・ホリデー協会(オーストラリアのセカンド・サードビザ条件)/外務省「ワーキング・ホリデー制度」







