心配で海外に行けない人へ|不安を消さずに動くための8つの考え方

海外に行きたいけれど心配で決められない。この状態で最も多い誤りは、不安が消えるのを待つことです。

不安は準備によって減りますが、ゼロにはなりません。ゼロになるまで待つと、永久に出発できない。

必要なのは、不安を消すことではなく、不安を具体的なリスクに分解して、対処できるものだけ潰すことです。

考え方の骨格

  • 漠然とした不安を、具体的な項目に書き出す
  • 対処できるものと、できないものに分ける
  • 対処できるものだけ準備する
  • 残った不安は持ったまま出発する

1.
不安を
紙に書き出す

「怖い」「心配」という感情のままでは、何も対処できません。

具体的に何が起きることを恐れているのかを、箇条書きにしてください。言葉が通じない、道に迷う、盗難に遭う、体調を崩す、飛行機が落ちる。

書き出すと、たいてい5〜10項目に収まります。無限にあるように感じていたものが、数えられる数になる。

この作業自体に効果があります。漠然とした不安は実体がないため対処できませんが、項目になれば一つずつ検討できます。

2.
対処できるものと
できないものを分ける

書き出した項目を二つに分けます。

対処できるもの。言葉が通じない、道に迷う、盗難に遭う、体調を崩す。これらはすべて準備で確率を下げられます。

対処できないもの。航空機事故、大規模な自然災害、政情の急変。確率はきわめて低く、個人の準備では変えられません。

後者について考える時間は、完全に無駄です。考えても確率は変わらないからです。前者に時間を集中させてください。

3.
完璧を
目指さない

準備を完璧にしようとすると、終わりがありません。

英語が完璧になってから、貯金がもっと貯まってから、仕事が落ち着いてから。条件を足していけば、出発は永遠に来ません。

必要なのは、致命的な失敗を避けられる水準です。パスポートと航空券と宿と保険があり、緊急時の連絡先を持っていれば、たいていの状況は回復可能です。

それ以外の失敗は、起きても取り返しがつく。道を間違える、注文を失敗する、電車を乗り過ごす。いずれも旅行を壊しません。

4.
最初の1日だけ
徹底的に準備する

不安が最も大きいのは、到着した直後です。ここだけを重点的に準備すると、負担が大きく減ります。

空港から宿までの経路を調べ、ストリートビューで入口を確認し、使う交通機関の運賃を把握しておく。到着時刻に公共交通が動いているかも確認する。

2日目以降は、現地に着いてから考えれば間に合います。1日過ごせば、その街の勝手が分かってきます。

つまり準備すべきは「旅行全体」ではなく「最初の数時間」です。範囲を絞れば、準備は手に負える量に収まります。

5.
小さく始める

いきなり1か月の一人旅を計画すると、不安の総量が大きすぎて動けません。

距離と期間を小さくしてください。まずは3泊で、日本語の通じる場所が多い都市へ。あるいは団体ツアーで、手配を他人に任せる形で。

一度経験すれば、次の判断材料が手に入ります。何が本当に大変で、何が杞憂だったか。実際に行ってみないと、この区別はつきません。

国内の一人旅から始めるという選択肢もあります。移動、宿泊、外食を一人で処理する経験は、海外でもそのまま使えます。

6.
情報を集めすぎない

準備のために調べるのは有効ですが、調べすぎると逆効果になります。

検索すれば、あらゆるトラブル事例が出てきます。強盗に遭った、詐欺に引っかかった、入院した。これらは事例として記録されているだけで、発生頻度を示すものではありません。

記録されるのは例外的な出来事です。何事もなく帰国した人は、わざわざ投稿しません。検索結果は、統計ではなく例外の集積です。

調べる範囲を決めてください。渡航先の治安情報は外務省の海外安全ホームページで確認し、あとは体験談を読み漁らない。それで十分です。

7.
言葉の不安には
別の答えがある

最も多い不安が言語です。ただしこれは、思考の前提が誤っていることが多い。

「英語が話せないと旅行できない」という前提は成立しません。実際には、指差しと数字と翻訳アプリで大半は処理できます。

そして、通じなかったときに何が起きるかを考えてみてください。注文したものと違う料理が来る、乗る電車を間違える。いずれも回復可能です。

言語の不安の正体は、多くの場合「恥をかくこと」への恐れです。ただし旅先の相手はあなたを覚えていません。

8.
不安を
持ったまま出発する

最後に、これが結論になります。

不安が消えてから行こうとすると行けません。不安は、実際に経験することでしか減らないからです。

出発の朝に不安があるのは正常です。準備すべきことを準備したなら、残りは持っていく。

そして、帰国したときには不安のリストが短くなっています。次の旅行の準備は、今回より確実に楽になります。

不安の中身は
たいてい3つに収まる

書き出してもらうと、不安の内容は似通っています。

第一に、コミュニケーションへの不安。言葉が通じない、誤解される、迷惑をかける。これは準備で確率を下げられる領域で、聞き返す表現と翻訳アプリでかなり解消します。

第二に、安全面への不安。盗難、事故、体調不良。これも対処可能で、貴重品の分散、保険への加入、緊急連絡先の控えで大半が処理できます。

第三に、失敗して恥をかくことへの不安。実はこれが最も大きいことが多い。ただし旅先の相手はあなたを覚えていません。翌日には別の客に対応しています。

三つに分けてみると、前の二つは準備の問題で、三つめは思い込みの問題だと分かります。準備で消えるのは二つ分。残りは、出発してみないと変わりません。

一度行くと
何が変わるか

経験者が口を揃えるのは、想像していたほど大変ではなかった、という感想です。

理由は単純で、不安は未知に対して生じるからです。何が起きるか分からない状態では、最悪の想定が頭を占めます。一度経験すると、実際に起きることの範囲が分かる。

もう一つは、トラブルの回復可能性を知ることです。道に迷っても、注文を失敗しても、電車を乗り過ごしても、旅行は続きます。この事実は、経験しないと実感できません。

そして、現地の人が自分に無関心であることも分かります。注目されている気がするのは、たいてい思い込みです。

だから最初の一回が最も難しく、二回目からは急に軽くなります。今の不安の大きさは、これから先ずっと続くものではありません。

出発前に
済ませる最低限

これだけあれば出発できる

  • パスポートの残存期間を確認する
  • 海外旅行保険に加入する
  • 空港から宿までの経路を調べる
  • 緊急連絡先(大使館・保険会社)を控える
  • 現地通貨を少額用意する

不安は持っていっていい

不安は消えません。消そうとするのをやめて、具体的な項目に分解し、対処できるものだけ準備してください。

今日できることがあるとすれば、紙に不安を書き出すことです。数えられる数になった時点で、状況は変わり始めます。

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