留学中のアルバイトは、できる国とできない国がはっきり分かれます。分かれ目は滞在国の法律と、手元のビザの種類。この2つが揃って初めて合法的に働けます。
やっかいなのは、上限時間がここ数年で動いていることです。カナダは2024年11月に週20時間から24時間へ、ニュージーランドは2025年11月3日に週20時間から25時間へ引き上げられました。数年前の情報のまま準備すると、条件を読み違えます。
1.
国別の就労時間の上限
留学先として選ばれることの多い国について、学生ビザで認められている就労時間を並べます。いずれも学位課程・語学課程などコースの種類や在籍状況によって条件が変わるため、最終確認は各国の移民当局の公式情報で行ってください。
| 国 | 学期中の上限 | 長期休暇中 |
|---|---|---|
| アメリカ | 学内のみ 週20時間 | 学内 フルタイム可 |
| カナダ | 学外 週24時間 | 無制限 |
| オーストラリア | 2週間で48時間 | 無制限 |
| ニュージーランド | 週25時間 | 条件により無制限 |
| イギリス | 週20時間 | フルタイム可 |
| 日本(参考) | 週28時間 | 週40時間 |
アメリカだけは性質が違います。F-1ビザの学生が働けるのは原則としてキャンパス内のみで、学外での就労にはCPTやOPTといった別の許可が必要です。許可なく学外で働けば不法就労になり、ビザの取り消しや強制退去につながります。
オーストラリアの「2週間で48時間」は、週単位ではなく2週間単位で数える点に注意が必要です。片方の週に30時間働いたら、次の週は18時間までしか働けません。
2.
働く前に
確認すべき3点
制度を満たしていても、条件が合わずに働けないケースがあります。出発前に潰しておきたい点を挙げます。
この3つを先に確認する
- 滞在が短期(1か月程度)ではないか
- 入国に使うのが観光ビザではないか
- 仕事に必要な語学力が足りているか
短期留学は、期間の短さそのものが壁になります。数週間で帰国する人を雇いたい雇用主は多くありません。求人を探す時間を考えると、滞在3か月未満なら学業に集中したほうが得るものが大きい。
観光ビザでの就労は、日本を含むほとんどの国で禁止されています。短期の語学留学では観光ビザで入国する場合が多く、ここで違法就労になる人がいます。学生ビザか、就労が認められる許可を必ず確認してください。
語学力の壁も現実的です。接客業なら注文と会計のやり取りだけでなく、同僚との連絡にも言語が要ります。皿洗いや倉庫作業のように会話量の少ない仕事から始めて、慣れてから接客に移る人は多い。
3.
就労が認められる場合がある国
学生ビザで就労の可能性がある国を挙げます。ただし条件は国ごとに異なり、労働許可証や語学要件が別途必要な場合があります。
- アメリカ合衆国(学内のみ)
- カナダ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- イギリス
- アイルランド
- ドイツ
- フランス
- スペイン
- イタリア
- オランダ
- マルタ
- 韓国
- 台湾
- 香港
この一覧は「働ける可能性がある国」であって、「誰でも働ける国」ではありません。アイルランドやドイツ、フランス、韓国、台湾などの具体的な上限時間はこの記事では確認しきれていないため、渡航先が決まったら各国の移民局・労働局の公式情報で必ず裏を取ってください。
4.
上限を超えると
どうなるか
就労時間の超過は、単なる規約違反では済みません。ビザの条件違反として扱われ、学生ビザの取り消し、強制退去、その国への再入国禁止につながる可能性があります。
雇用主が時間を管理してくれるとは限らない。シフトを組むのは店側でも、条件を守る責任は本人にあります。働いた時間を自分で記録しておくのが確実です。
国を決める前に働ける時間を調べる
留学中のアルバイトは、条件さえ満たせば生活費の一部を賄えます。ただし「働けるかどうか」を判断するのは雇用主ではなく、その国の制度です。
順番としては、渡航先を決める前に就労条件を確認したほうがいい。カナダの週24時間とイギリスの週20時間では、1か月の収入が数万円単位で変わります。滞在費の計画にも直結する条件です。
出典:カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)/ニュージーランド移民局/オーストラリア内務省の学生ビザ就労条件(いずれも2026年時点)







