海外でスマホが壊れたときの対処法|修理・購入・保険の3つの選択肢

旅先でスマートフォンが使えなくなると、失うのは連絡手段だけではありません。地図、翻訳、予約の確認、決済、航空券。旅行の基盤がまとめて止まります。

対処には順序があります。まず応急処置、次にデータの確保、それから修理か購入かの判断。この順を飛ばすと、選択肢が狭まります。

対処の要点

  • 水没なら電源を入れない。乾燥させる
  • クラウド同期の状況を確認する
  • 修理は正規店か認定店を探す(データ消去に注意)
  • 現地購入はSIMロックと周波数帯を確認
  • 海外旅行保険の携行品損害が使える場合がある

1.
まずやるべき
応急処置

症状によって最初の行動が変わります。

水没した場合、電源を入れてはいけません。通電が故障を広げます。電源が入っているなら切り、SIMカードを取り出し、乾いた布で水分を拭き取る。

米に入れるという方法が語られますが、効果は疑問視されています。粉が端子に入る危険もある。風通しのよい場所で自然乾燥させ、可能なら乾燥剤と一緒に密閉容器へ入れるほうが確実です。

落下による画面割れでは、飛散防止のためにフィルムやテープを貼ります。操作できるなら、この段階でデータのバックアップを取る。

起動しない場合は、強制再起動を試します。機種ごとに手順が違うため、事前に自分の端末の方法を調べておくと役に立ちます。

2.
データの確保を
優先する

端末が操作できる状態なら、修理に出す前にやることがあります。

修理では、データが消去される場合があります。特に基板の交換や本体交換では、中身は戻りません。

クラウドへの同期状況を確認し、写真と連絡先、認証アプリの設定をどうするかを考えてください。二段階認証のアプリが入っている場合、端末を失うと各種サービスにログインできなくなる可能性があります。

この問題は出発前に対処しておくべきものです。認証の予備手段を別の端末か紙で持っておくこと。

3.
現地で修理する

主要都市には、メーカーの正規サービス店や認定修理店があります。

正規店の利点は、純正部品と技術水準です。欠点は、国によって対応が違うことと、部品の在庫がない場合に時間がかかること。

非正規の修理店は、価格が安く対応も速い一方、以後メーカーの保証が受けられなくなる場合があります。帰国後に正規の修理を受けたい場合は注意が必要です。

旅行の残り日数も判断材料になります。修理に1週間かかるなら、旅行が終わってしまう。

4.
現地で
買い直す

修理が間に合わない場合、現地で購入するという選択肢があります。

確認すべき点が三つあります。第一に、SIMロックの有無。ロックされた端末は、その国の特定の通信会社でしか使えません。

第二に、対応する周波数帯です。国によって使われる帯域が違い、日本に持ち帰っても通信できない場合があります。

第三に、価格です。国によっては日本より高いことがあります。関税や現地の税制が反映されるためです。

短期の滞在なら、安価な機種を一時的に使い、帰国後に元の端末を修理するという割り切り方もあります。

5.
保険の
携行品損害

海外旅行保険には、携行品損害という補償が含まれていることがあります。

旅行中の偶然の事故によって、持ち物が破損・盗難に遭った場合に補償されるものです。スマートフォンも対象に含まれる場合があります。

ただし条件があります。自然故障は対象外で、あくまで事故による破損に限られるのが一般的です。また、補償額には上限があり、1点あたりの限度額が設定されていることが多い。

請求には書類が必要です。破損の場合は修理見積書や写真、盗難の場合は警察の証明書。現地で取得する必要があるため、事故が起きた時点で手続きを始めてください。

クレジットカードに付帯する海外旅行保険でも、携行品損害が含まれる場合があります。出発前に補償内容を確認しておくこと。

6.
出発前の備え

これだけやっておく

  • 認証アプリの予備手段を用意する
  • 宿・航空券・保険の情報を紙に印刷する
  • クラウド同期を有効にしておく
  • モバイルバッテリーを持つ
  • 保険の携行品損害の有無と上限額を確認する

最も効くのは、紙の控えです。宿の住所、予約番号、航空券の便名、保険会社の連絡先、大使館の電話番号。

端末が使えなくなった瞬間、これらの情報にアクセスできなくなります。紙が1枚あるかどうかで、その後の動きがまったく変わる。

同行者がいるなら、情報を共有しておくのも有効です。一方の端末が使えれば、状況は大幅に改善します。

7.
盗難の場合

故障ではなく盗難の場合、手順が変わります。

まず遠隔ロックと位置情報の確認です。多くの端末に、紛失時に遠隔から操作をロックする機能があります。事前に有効にしておかないと使えません。

次に警察への届け出です。保険の請求には、現地の警察が発行する証明書が必要になることがほとんどです。

通信会社への連絡も必要です。回線を止めなければ、不正利用の可能性が残ります。

決済アプリやクレジットカードを登録している場合は、各社への連絡も要ります。この一覧を出発前に作っておくと、慌てずに済みます。

旅行を続けるなら、現地でプリペイドのSIMと安価な端末を調達するという選択になります。

効くのは印刷した紙1枚

スマートフォンが壊れたら、応急処置、データの確保、修理か購入かの判断、という順で動いてください。保険の携行品損害が使える場合もあります。

ただし最も重要なのは出発前です。認証の予備手段と、紙の控え。紙は、電池が切れません。

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