海外への新婚旅行にかかる費用は、ふたり分で平均126万5,000円。リクルートブライダル総研などの調査をもとにゼクシィがまとめた数字です。ハワイなら平均85万5,000円で6.3日、ヨーロッパなら117万5,000円で8.5日。行き先によって、かかるお金も日数もこれだけ違います。
この記事では、ハネムーン先として長く選ばれてきた海外8か所を取り上げます。人気の理由だけでなく、移動時間、入国の手続き、ベストシーズンまで並べるので、休みの長さと予算から候補を絞る材料にしてください。
海外ハネムーンの行き先8か所
- ハワイ:移動が短く、ツアーの選択肢が最も多い
- イタリア:食と街歩き。周遊するなら8日以上
- フランス:パリと地方の組み合わせで旅の幅が広がる
- スペイン:夜の長い街歩きと、地方ごとに違う料理
- モルディブ:1島1リゾート。移動より滞在を楽しむ旅
- バリ島:ヴィラとスパ。費用を抑えつつリゾート感
- グアム:飛行機で約4時間。短い休みでも行ける
- アメリカ本土:ニューヨークとテーマパークの組み合わせ
ハワイ|移動の負担が小さく、選択肢が多い

日本の新婚旅行先として、長く上位に入り続けているのがハワイです。成田や羽田からホノルルまでは約7時間。時差は19時間で、日本の夜にホノルルは前日の朝を迎えます。
強みは選択肢の多さです。直行便の数、日本語の通じるツアー、ホテルのカテゴリの幅。ワイキキの高層ホテルに泊まって買い物と食事を楽しむ旅も、オアフ島から離れてマウイ島やハワイ島の静かなリゾートで過ごす旅も組めます。ホノルルから隣の島へは国内線で40〜50分ほどなので、2島を組み合わせても移動の負担はそれほど増えません。
入国には電子渡航認証のESTAが必要で、申請料は2025年9月30日から40ドルに上がりました。気候は一年を通して暖かく、4月から10月の乾季は雨が少なめです。
イタリア|食と街歩きを、周遊で味わう

ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ。イタリアは都市ごとに雰囲気が大きく違い、1週間あっても回りきれない国です。羽田からローマへはITAエアウェイズの直行便があり、所要は15時間前後です。
北部では美術館と歴史的な街並み、南部ではアマルフィ海岸やシチリアの海。2都市か3都市に絞って高速鉄道でつなぐと、移動に追われずに済みます。

日本人は観光目的の90日以内の滞在ならビザは要りません。2025年10月からはシェンゲン圏の出入国時に顔写真と指紋を登録するEESが始まり、事前の渡航認証ETIASも導入が予定されています。渡航の前に最新の手続きを確認してください。ベストシーズンは4〜6月と9〜10月です。
フランス|パリと地方を組み合わせる

パリだけで1週間を過ごすこともできますが、ハネムーンなら地方を1か所足すと旅の印象が変わります。モン・サン・ミッシェル、ロワールの古城、南仏のプロヴァンスやニース。パリから鉄道やツアーで日帰り、または1泊で行けます。
羽田・成田からパリへは直行便が毎日出ていて、所要は14〜15時間ほど。入国の条件はイタリアと同じくシェンゲン圏のルールです。夏は日が長く、夜9時を過ぎても明るいので、1日を長く使えます。
スペイン|夜が長く、地方ごとに料理が違う

スペインの夕食は夜9時ごろから始まるのが普通です。夕方に一度ホテルに戻り、夜にもう一度街へ出る。この生活のリズムに合わせると、昼とは違う街の顔が見えます。
バルセロナのガウディ建築、マドリードの美術館、アンダルシア地方のアルハンブラ宮殿。料理も地方ごとに違い、バスク地方のピンチョス、バレンシアのパエリアと、移動するたびに食べるものが変わります。日本からは乗り継ぎ便を使うことが多く、移動時間は長めに見ておくと計画が崩れません。
モルディブ|移動より、滞在そのものを楽しむ

インド洋に約1,200の島が点在するモルディブでは、ひとつの島にひとつのリゾートが建つ「1島1リゾート」が基本です。首都マレの空港からスピードボートや水上飛行機でリゾートの島へ渡り、滞在中はほとんど島から出ません。
日本からの直行便はなく、シンガポールやドバイなどで乗り継いで、片道11〜14時間以上かかります。観光目的なら到着時に30日間の査証が無料で付与され、到着前96時間以内にオンラインで旅行者申告を出す必要があります。
観光地を巡る旅ではありません。水上ヴィラで海を眺め、シュノーケリングをして、食事をする。何もしないことに価値を感じるふたりに向いた行き先です。
バリ島|費用を抑えつつ、リゾートの非日常を

成田からデンパサールへはガルーダ・インドネシア航空の直行便があり、所要は約7時間半。プライベートプール付きのヴィラ、スパ、ライステラスの広がる内陸のウブド。リゾートの非日常を、ヨーロッパやモルディブより抑えた予算で味わえるのがバリ島です。
入国には到着ビザ(e-VOA)が必要で、料金は50万ルピア。これとは別に、2024年2月からバリ州の観光税として1人15万ルピアが徴収されています。どちらもオンラインで事前に払えます。4月から10月の乾季が旅行に向いた時期です。ビーチ沿いのエリアとウブドの両方に泊まる旅も人気で、両者の間は車で1時間半ほどです。
グアム|短い休みでも行ける南の島

成田からグアムへは約3時間半〜4時間。時差は1時間で、到着した日から時差ぼけなしで動けます。まとまった休みが取れないふたりにとって、3泊4日で成立する数少ない海外リゾートです。
入国はESTAか、グアム・北マリアナ諸島ビザ免除プログラムを使います。ビーチ沿いのタモン地区にホテルと商業施設が集まっているため、移動はほとんど徒歩とシャトルバスで済みます。
アメリカ本土|都市とテーマパークの組み合わせ

ニューヨークでミュージカルと美術館、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドでテーマパーク。ひとつの国のなかで性格のまったく違う旅を組み合わせられるのが、アメリカ本土の特徴です。
ニューヨークまでは直行便で13時間前後。フロリダへは乗り継ぎが基本です。ニューヨークの冬は寒さが厳しく、フロリダは8〜10月にハリケーンが来やすいため、都市とリゾートを組み合わせるなら春か秋が無難です。

ウォルト・ディズニー・ワールドは4つのテーマパークを持つ世界最大級のリゾートで、敷地内に直営ホテルが20以上あります。1日では回れないため、2〜3日を確保しておくと慌てずに済みます。
行き先を比べる
| 行き先 | 移動時間の目安(片道) | 入国の手続き | 旅に向いた時期 |
|---|---|---|---|
| ハワイ | 約7時間 | ESTA | 通年(4〜10月は雨が少ない) |
| イタリア | 約15時間 | ビザ不要(シェンゲン圏) | 4〜6月、9〜10月 |
| フランス | 14〜15時間 | ビザ不要(シェンゲン圏) | 5〜9月 |
| スペイン | 乗り継ぎで長め | ビザ不要(シェンゲン圏) | 4〜6月、9〜10月 |
| モルディブ | 11〜14時間以上(乗り継ぎ) | 到着時に無料の査証 | 11〜4月(乾季) |
| バリ島 | 約7時間半 | 到着ビザ+観光税 | 4〜10月(乾季) |
| グアム | 約3時間半〜4時間 | ESTAまたはビザ免除プログラム | 通年(12〜5月は雨が少ない) |
| アメリカ本土 | 13時間前後〜 | ESTA | 春、秋 |
手配の前に確認しておきたい名前と書類
新婚旅行で特に多いトラブルが、航空券とパスポートの名前の食い違いです。航空券の名前はパスポートと完全に一致している必要があり、違えば搭乗を断られることがあります。
入籍前後の名前の扱い
- 旧姓のパスポートで行く:航空券も旧姓で予約する
- 新姓で行く:先にパスポートの記載事項を変更してから航空券を取る
- ESTAやe-VOAも、渡航に使うパスポートの情報で申請する
入籍直後に出発する場合は、パスポートの切り替えが間に合わないことがあります。旧姓のパスポートのまま渡航しても問題はありません。大事なのは、航空券、渡航認証、パスポートの名前をそろえることです。
ホテルの予約時に新婚旅行であることを伝えておくと、ケーキやスパークリングワインのサービス、空きがあれば部屋のアップグレードを受けられることがあります。ホテルによっては挙式や入籍から一定期間内であることを条件にしていて、証明を求められる場合もあります。
手配の時期は、ヨーロッパやモルディブなら半年前、ハワイやグアムなら3〜4か月前が目安です。年末年始、ゴールデンウィーク、お盆は航空券とホテルの料金が大きく上がるため、休みを少しずらせるなら総額はかなり下がります。
ふたりで行き先を決めるときの順番
行き先の話から始めると、行きたい場所が複数出てまとまりません。先に決めるのは、休みの日数と予算の2つです。
休みが5日以内ならハワイ、グアム、バリ島。7日以上取れるならヨーロッパやモルディブも候補に入ります。ヨーロッパは往復の移動だけで2日近く使うため、5日以内の日程では現地で過ごす時間がほとんど残りません。
次に、旅の過ごし方で絞ります。街を歩いて食べ歩きたいならイタリアやスペイン、何もせずに過ごしたいならモルディブ、両方ほしいならハワイ。ふたりの希望が分かれたときは、ハワイやアメリカ本土のように都市とリゾートを組み合わせられる行き先が落としどころになります。
ツアーにするか個人手配にするかでも、費用と自由度が変わります。違いはツアーと個人旅行はどちらが得かに、ヨーロッパの入国手続きの変化はヨーロッパ旅行の「敷居が高い」は本当かにまとめています。
休みの長さと、ふたりの過ごし方から決める
短い休みならハワイ、グアム、バリ島。長い休みが取れるならヨーロッパかモルディブ。この線引きで、候補はほぼ半分に絞れます。
そのうえで、街を歩きたいのか、何もしない時間がほしいのか。ハネムーンは一度きりの旅なので、どちらか一方の希望に寄せるより、ふたりの希望が両方入る行き先を選ぶほうが後悔は少なくなります。
出典:ゼクシィ「新婚旅行の費用相場は?」(リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」ほか)、米国税関・国境警備局(ESTA)、在モルディブ日本国大使館、在デンパサール日本国総領事館。費用・手続きは2026年9月時点







