同じ語学学校に同じ期間通っても、半年後に話せるようになっている人とそうでない人に分かれます。授業は同じ。違うのは、教室の外の時間の使い方です。
渡航すれば語学力がつくのではなく、渡航先で続けた行動が語学力になる。留学先での語学勉強で差がつく5つのポイントを、具体的な動きに落として書きます。
差がつく5つのポイント
- 日常生活を教材にする(1日ひとつ場面を決める)
- 予習15分・復習はその日のうちに1つ
- 詰まった語だけを、場面つきで記録する
- 「言えなかったことノート」を1冊つくる
- 週1回、語学に使った時間を数える
1.
日常生活を教材にする

教室の外にある言語は、教科書より情報量が多い。レジの決まり文句、駅の乗り換えアナウンス、カフェのメニュー、スーパーのレシート。どれも現地の人が実際に使っている形で、しかも無料です。
漠然と浴びるだけでは残りません。1日にひとつ場面を決めるとうまくいきます。今日はカフェでの注文、明日はバスの運転手への質問、というふうに対象を絞る。同じ場面を繰り返せば、3日目には言い回しが口から出るようになります。
聞き取れなかった一言を、その場でメモに残しておく。あとで調べると、教科書に載っていない省略形や地域の言い方だったと分かることが多いです。
2.
予習と復習を
欠かさない

外国語で受ける授業は、内容の難しさより先に、聞き取りの負荷で頭が埋まります。講師の話すスピードに追いつけず、理解に回す余力が残らない。
予習に時間をかける必要はありません。15分で十分です。教科書の見出しと、その回で出てくる専門語だけ先に目を通しておく。内容の予測がついていれば、聞き取りに使う注意の量が減り、その分を理解に回せます。
復習はその日のうちに。翌日に回すと、聞き取れなかった箇所の記憶があいまいになって、何を調べればいいのかが分からなくなります。潰すのは1日1つでいい。
3.
ボキャブラリーを
増やす

語彙が足りないと、文法をいくら知っていても会話が止まります。逆に語彙さえあれば、文法があやしくても用件は通る。優先順位は明確です。
市販の単語帳を1冊こなすより、自分が実際に詰まった語を集めるほうが定着します。言いたかったのに出てこなかった言葉、相手に聞き返された言葉。これらは自分の生活に直結しているので、使う機会が必ずもう一度やってきます。
記録するときは、単語と訳だけでなく、どの場面で必要になったかを一緒に残す。「薬局で、痛み止めを探していたとき」といった一行があるだけで、思い出せる確率が変わります。復習は間隔を空けて、翌日・1週間後・1か月後の3回にすると負担が軽い。
4.
ノートを取る習慣を
身につける

授業の板書を写すノートとは別に、もう1冊つくることをすすめます。「言えなかったことノート」です。
使い方は単純で、ページを縦に半分に割る。左側に、日本語で言いたかったことをそのまま書く。右側に、あとで調べた現地の言い方を書く。1日に3つも書ければ十分です。
このノートは自分の弱点の一覧になります。数週間ぶんを見返すと、同じ種類の表現でつまずいていることに気づく。条件の言い方が弱い、時間の表現が弱い、といった具合に、次に何を勉強すべきかが自動的に決まります。
5.
タイムマネジメントを
意識した生活

留学中は、課題も交流も観光も同時に走ります。時間は勝手に埋まる。埋まった結果、勉強時間が最初に削られるのがよくある流れです。
生活のリズムは、到着から2週間ほどで固まります。ここで学習の時間帯を先に確保しておくと、あとから押し戻すより楽です。朝の30分でも、通学中の20分でもいい。場所と時間を固定するほど続きます。
週に1度、語学に使った時間を数えてみる。体感と実際の時間は、たいていずれています。数字で見ると、「忙しくてできなかった」ではなく「この曜日が空いている」という判断に変わります。
伸びない人に
共通すること
1年いたのにあまり話せないまま帰る人には、共通点があります。生活が日本語で完結していることです。
住む場所、遊ぶ相手、見る動画。この3つが日本語のままだと、現地にいる時間の大半が日本での生活と変わらなくなります。日本語のつながりを断つ必要はありません。ただ、3つのうちひとつは現地の言語側に置いておく。それだけで、触れる時間が週に何時間も変わります。
もうひとつは、語学学校の授業だけで満足してしまうこと。授業は週に20時間前後です。残りの時間をどう使うかで、半年後の差がつきます。
5つ全部はやらない。
ひとつ選ぶ
5つのうち、明日から始められるものを1つだけ選んでください。全部を同時に始めると、たいてい2週間でどれも止まります。
選ぶなら「言えなかったことノート」が手をつけやすい。道具はノート1冊で、書くのは1日3行です。それが続いたら、時間の記録を足す。順番はこれで十分です。







