日本人が習得しやすい言語は韓国語とスペイン語【理由付き】

日本語と韓国語は、語順がほとんど同じです。「私は水を飲む」を単語ごとに置き換えれば、そのまま韓国語の文になります。英語ではこうはいきません。

最初の外国語が英語だと苦労する人が多いのは、日本語との距離が遠いからです。日本語を母語にする人にとって、構造や音の距離が近い言語はほかにあります。ここでは韓国語とスペイン語を取り上げ、どこが近くて、どこが壁になるのかを分けて書きます。

2言語の要点

  • 韓国語:語順・助詞・漢字語が日本語と重なる。壁は発音
  • スペイン語:母音5つ、綴りと音がほぼ一致。壁は動詞の活用
  • 文字と作文を早く形にしたいなら韓国語
  • 話して通じる経験を早く得たいならスペイン語

1.
韓国語

韓国語は日本語と同じく、主語から始まり述語で終わります。「나는 물을 마신다(私は水を飲む)」は、単語を一つずつ入れ替えるだけで日本語の文になる。英語のように語順を組み替える作業がいりません。

助詞があるのも共通点です。「〜は」にあたる는/은、「〜を」にあたる를/을、「〜に」にあたる에。役割がほぼ重なるので、日本語で組み立てた文をそのまま乗せ換えられます。

語彙も重なります。東京外国語大学の言語モジュールによれば、新聞のような硬い書きことばでは漢字語が50〜60%以上を占めます。約束は약속(ヤクソク)、家族は가족(カジョク)、無理は무리(ムリ)。音まで似ているので、覚える前に意味が推測できる単語が積み上がっていきます。

文字への不安は、思ったより早く消えます。ハングルの基本字母は24字(子音14・母音10)。漢字のように一字ずつ覚える必要はなく、子音と母音を組み合わせる規則を理解すれば、意味が分からなくても音読はできるようになります。

壁になるのは発音です。パッチム(終声)、激音と濃音の区別は日本語にない音の対立で、聞き分けにも発音にも時間がかかります。文法で浮いた時間を、そのまま音に振り分けるのが無理のない配分です。

2.
スペイン語

スペイン語圏の街並み

スペイン語の母音はa、e、i、o、uの5つ。日本語と同じ数で、音の位置も近い。英語のあいまい母音に手こずった人ほど、口の中で音を作る負担が軽いと感じます。

綴りと発音の対応もほぼ一対一です。書いてあるとおりに読めば通じる。例外はhを読まないこと、jがハ行に近い音になること、llやñの扱いくらいで、数えられる範囲に収まります。英語のoughのように、同じ綴りが何通りにも読まれる分岐がありません。

語彙の親しみやすさもよく挙がりますが、ここは正確に分けておきます。カステラ、ボタン、シャボン、カルタといった南蛮由来の外来語は、スペイン語ではなくポルトガル語から入ったものです。ただしスペイン語とポルトガル語は語彙の大半を共有していて、タバコ(tabaco)のように両言語に同じ形で存在する単語も多い。結果として、スペイン語の単語帳に見覚えのある音が並ぶことに変わりはありません。

実用面では話者数がものを言います。母語話者はおよそ5億人、公用語とする国は20か国を超える。教材も現地の一次情報も、量が確保されています。

壁は動詞の活用です。人称6通りに時制と法の数だけ形が変わるので、最初の数か月はここに時間を取られます。裏を返せば、活用表を越えたあとの読解は一気に軽くなります。

「英語より簡単」は
どこまで本当か

言語の難易度でよく引かれるのが、アメリカ国務省のFSI(外交官向けの語学研修機関)による区分です。ただしあれは英語話者が学ぶ場合の所要時間の目安で、日本語話者にそのまま当てはめることはできません。

FSIの区分では、日本語・韓国語・中国語・アラビア語が最難関のグループに入ります。日本語と韓国語が同じ位置にいるのは、両者が英語から同じ方向に遠いからです。英語話者にとっての難しさの理由が、日本語話者にとってはそのまま近さの理由になる。

スペイン語はFSIで最もやさしいグループに置かれています。これも英語話者を基準にした話ですが、母音の少なさと綴りの規則性という理由の部分は、日本語話者にも同じように働きます。

近い言語ほど触れる量が増える

文字と文の形を早く作りたいなら韓国語。ハングルは短時間で読めるようになり、日本語の文を移し替える感覚で作文に入れます。

声に出して通じる経験を早く得たいならスペイン語。発音の入口が低く、最初のひと言が出るまでが速い。動詞の活用は、そのあとで腰を据えて片付けても間に合います。

どちらを選んでも、最後に効いてくるのは触れる量です。韓国語はドラマも音楽も教材も日本語圏に大量にあり、スペイン語は話者数の多さがそのまま現地の情報量になる。日本語から近い言語を選ぶ利点は、その量に早くたどり着けることにあります。

出典:東京外国語大学 言語モジュール「朝鮮語の語彙」/U.S. Foreign Service Institute の言語区分

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