海外で買ったハムやソーセージ、ビーフジャーキーは、輸出国の政府機関が発行する検査証明書がなければ日本に持ち込めません。おみやげでも個人で食べる分でも同じです。
そして罰則が軽くありません。家畜伝染病予防法に違反した場合、3年以下の懲役または個人で300万円以下、法人では5,000万円以下の罰金が科されます。
最初に押さえる4点
- 肉・肉製品:検査証明書がなければ原則すべて持ち込み不可
- 対象は生肉だけでなく、加熱済みのハム・ジャーキー・肉まんも含む
- 違反時は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人5,000万円以下)
- 持ち込む場合は税関検査場の動物検疫カウンターで申告が必要

1.
肉類・肉製品
動物検疫所は、おみやげや個人消費用であっても、輸出国の政府機関が発行する検査証明書のないものは持ち込みできないと明示しています。
対象は広く、生肉、冷蔵・冷凍肉、加熱調理済みの肉製品まで含まれます。ジャーキー、ハム、ソーセージ、ベーコン、肉まん。卵(殻付きを含む)や、骨・血液・皮・毛といった動物由来の物も対象です。
「加熱してあるから大丈夫」という判断は通りません。加熱の有無ではなく、証明書の有無で決まります。
背景にあるのはアフリカ豚熱(ASF)などの家畜伝染病です。2020年の法改正で家畜防疫官に出入国者への口頭質問の権限が加わり、違反者情報のデータベース化、警告書の交付、警察への通報や告発といった対応が強化されています。
2.
乳製品
乳製品も動物検疫の対象です。生乳、生クリーム、バター、チーズなどは制限がかかります。
ただし肉製品ほど一律ではありません。加熱滅菌された缶詰や瓶詰、レトルト加工品には例外的な扱いがあり、品目によって判断が分かれます。持ち帰りたいものが決まっているなら、動物検疫所の乳製品に関するページで個別に確認してください。

3.
果物
果物は植物防疫法の対象です。オレンジ、バナナ、パパイヤ、マンゴーなど、多くの生果実は持ち込みが禁止または制限されています。
国・地域ごとに条件が異なり、同じ果物でも出発地によって可否が変わります。さらに、持ち出した国から別の国を経由すると持ち込めなくなる場合があると植物防疫所は注意を促しています。乗り継ぎのある旅程では特に注意が必要です。
4.
野菜と土
野菜も同様に規制の対象で、多くは輸出国政府の検査証明書が必要です。
例外なく禁止されているのが土です。植物防疫所は「土や、土の付着した植物は全ての国・地域から持込みができません」としています。球根や苗を買うときはもちろん、靴底に土がついた状態も本来は望ましくありません。

5.
ナッツ・ドライフルーツ
殻付きのナッツや生のナッツは、植物検疫の対象になる場合があります。加工の度合いによって扱いが変わるため、一律に可否を言えない領域です。
ドライフルーツも同様で、製品によって判断が分かれます。パッケージされた市販の加工品なら通ることが多い一方、現地の市場で量り売りされているものは確認が必要です。
判断に迷うものは、植物防疫所の輸出入条件のページで品目と国を指定して調べるのが確実です。
6.
申告しないと
どうなるか
検疫対象のものを持ち込む場合は、税関検査場内の動物検疫カウンターで申告して検査を受ける必要があります。
申告せずに持ち込み、検査で見つかった場合は違法な持ち込みと判断されます。冒頭の罰則が適用される対象はここです。知らなかった、という説明は通用しません。
逆に、申告して持ち込めないと判断された場合は、その場で放棄することになります。廃棄で済む話です。申告しない選択のほうがはるかに高くつきます。
買う前に確認する
旅行前のチェック
- 肉製品は「買わない」が最も確実
- 乳製品は動物検疫所のページで品目ごとに確認
- 果物・野菜は植物防疫所で出発国と品目を指定して確認
- 迷ったものは持ち込まず、現地で食べる
- 持ち込む場合は必ず検疫カウンターで申告する
現地の市場で肉の加工品を勧められる場面は多いものですが、日本向けの検査証明書が付いている商品はほとんどありません。空港で捨てることになると分かっていれば、買う判断も変わります。
買わなければ悩まずに済む
覚えるべき線引きは1つです。肉製品は証明書がなければ不可、果物と野菜は国と品目によって変わる、土は全面的に不可。
出発前に、動物検疫所と植物防疫所の2つのサイトを開いて、買う予定の品目を調べてください。制度は改定されるため、この記事の内容も渡航時点の公式情報で確認し直すことをおすすめします。
出典:動物検疫所「肉製品などのおみやげについて」/農畜産業振興機構「ほとんどの肉・肉製品は日本に持ち込めない!」/植物防疫所「海外から野菜や果物を持ち込む際の規制」







