英語圏で仕事が見つけやすいワーホリ先5か国|定員・最低賃金・求人の傾向と、アメリカに行けない理由【2026年】

英語圏のワーホリは、非英語圏より仕事が見つけやすい。大筋では正しい理解です。ただ、英語圏のなかでも差は大きく、最低賃金が日本の2倍を超える国もあれば、ビザの枠が年800人しかない国もあります。

この記事では、日本人がワーホリで行ける英語圏の5か国を「仕事の見つけやすさ」の一点で比べます。アメリカが候補に入らない理由と、代わりに使える制度も後半で扱います。

5か国の概要(2026年時点)

  • オーストラリア:定員なし。最低賃金は時給26.44豪ドルで、求人の母数がいちばん大きい
  • カナダ:定員は年6,000人台。雇用主の制限がなく、一つの職場に長く勤められる
  • ニュージーランド:定員なし。果物の収穫やスキー場など、季節の求人に強い
  • イギリス:定員6,000人・先着順。滞在できる期間が2年ある
  • アイルランド:定員800人。ビザを取るまでが最大の難関

仕事の見つけやすさは3つの条件で決まる

見つけやすさは、英語が通じるかどうかだけでは決まりません。求人の数、雇用のルール、同じ時期に来る渡航者の数。この3つの組み合わせです。

求人が多い国でも、渡航者が一度に集中すれば取り合いになります。反対に、定員が少ない国はビザを取るまでが難しく、取れてしまえば競争相手が少ない。雇用主ごとの就労期間に上限がある国では、長く働ける職場を探すより、次の職場へ移る段取りが要ります。

以下の5か国は、この3つの条件で見ると性格がはっきり分かれます。

1.オーストラリア

求人の母数でいえば、英語圏でいちばん大きい国です。日本とのワーホリ協定(ビザ区分417)には定員がなく、18〜30歳なら申請できます。

賃金の水準も高い。公正労働委員会(Fair Work Commission)の決定で、2026年7月1日から全国最低賃金は時給26.44豪ドルになりました。1豪ドル111円前後で計算すると、およそ2,900円です。ワーホリの仕事はカジュアル雇用(有給休暇がない代わりに時給が上乗せされる働き方)が多く、実際に受け取る時給はこれより高くなります。

仕事の中心は飲食店、ホテル、清掃、そしてファームジョブです。ファームジョブは農場での収穫や選果、パッキングの仕事で、都市部の接客より英語力を問われにくい。語学に自信がない時期の最初の仕事として選ぶ人もいます。

注意点は2つあります。同じ雇用主のもとで働けるのは原則6か月まで。そして2年目のビザを申請するには指定地域で88日、3年目なら6か月、農業や漁業、建設などの「特定業務」に就いている必要があります。1年目の働き方が、2年目に残れるかを決める仕組みです。

2.カナダ

カナダのワーホリは「国際経験カナダ(IEC)」という制度の一部です。日本人の定員は年6,000人台で、2026年は3月から抽選で招待状が出されています。対象は18〜30歳、滞在は最長12か月です。

仕事探しで有利なのは、発給されるのがオープンワークパーミットだという点です。雇用主や職種の制限がなく、オーストラリアのような「同じ職場で6か月まで」という上限もありません。一つの職場に腰を据えて、帰国後の面接で職歴として説明できる経験を積みやすい国です。

最低賃金は州ごとに決まっていて、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州、トロントのあるオンタリオ州はいずれも時給17カナダドル台以上です。求人は日本食レストラン、カフェ、ホテル、冬のスキーリゾートに多く集まります。

都市部は競争が激しく、英語の面接に通るかどうかで選べる職種が変わります。申請費用は参加費184.75カナダドル、ワークパーミット代100カナダドル、生体認証85カナダドルの計369.75カナダドル。資金証明として2,500カナダドル以上が求められます。

3.ニュージーランド

人口は約530万人。最大都市のオークランドでも、求人の総数はシドニーやトロントに及びません。その代わり、季節によって求人が一気に増える国です。

夏から秋はキウイフルーツやリンゴの収穫、冬はクイーンズタウン周辺のスキー場。こうした季節の仕事は、英語力より体力と、勤務地に合わせて移動できる身軽さが問われます。園芸やブドウ栽培の仕事を一定期間続けた人は、滞在を3か月延ばせる制度もあります。

最低賃金は2026年4月1日から時給23.95NZドル。日本からの申請は18〜30歳が対象で、定員はありません。

都市で仕事が見つからないとき、地方へ移って探し直すのが現実的な選択肢になる。ニュージーランドのワーホリは、この動き方ができるかどうかで結果が変わります。

4.イギリス

イギリスのワーホリは「ユース・モビリティ・スキーム(YMS)」と呼ばれます。日本人の定員は年6,000人。以前は抽選でしたが、2024年から先着順に変わりました。年齢は18〜30歳で、滞在は最長2年です。

2年という長さが、仕事探しでは大きい。最初の数か月を語学学校やつなぎの仕事にあてても、残りの1年半で職歴を作れます。1年のビザでは組みにくい計画です。

賃金は、21歳以上に適用される全国生活賃金(National Living Wage)が2026年4月から時給12.71ポンド。求人はロンドンに集中していて、日本食レストラン、日系企業の事務、観光業が中心です。日本語と英語の両方を使える人材は、ロンドンでは一定の需要があります。

問題は初期費用です。申請料340ポンドに加え、2年分の医療保険料(IHS)1,552ポンドを申請時に前払いします。資金証明は2,530ポンド以上。家賃の高さもあり、渡航前に用意するお金は5か国のなかでいちばん多くなります。

5.アイルランド

英語圏のワーホリ先としては見落とされがちな国です。首都ダブリンにはGoogleやMetaの欧州本部があり、EU圏のなかで英語で暮らせる数少ない国でもあります。

定員は年800人。申請の受付は例年1月と7月ごろの年2回で、在日アイルランド大使館が書類を選考します。年齢は18〜30歳、滞在は最長1年、50万円以上の預金証明が必要です。

最低賃金は2026年1月から時給14.15ユーロ。求人は飲食、ホテル、小売が中心で、IT企業の正社員として入るのはワーホリの立場では簡単ではありません。

壁は枠の少なさです。裏を返せば、ビザが取れた人同士の競争は、ほかの4か国ほど激しくありません。

アメリカにワーホリで行けない理由

日本とアメリカの間には、ワーキング・ホリデーの協定がありません。外務省が公表している日本のワーホリ協定国・地域は2026年4月時点で32。アメリカは含まれていません。

代わりの制度が、J-1ビザ(交流訪問者ビザ)を使ったインターンシップとトレーニーです。有給で働けますが、ワーホリとは手順が逆で、受け入れ先の企業とスポンサー団体が決まらないとビザを申請できません。

ワーホリとJ-1ビザの違い

  • ワーホリ:ビザを先に取り、現地で仕事を探す
  • J-1:受け入れ先を先に決め、そのあとでビザを申請する
  • J-1は研修計画に沿って働き、専攻や職歴との関連を求められる
  • 滞在はインターンが最長12か月、トレーニーが最長18か月

アメリカで働く経験がほしいなら、ワーホリの延長ではなく、就職活動に近い準備が要ると考えておくと計画を誤りません。

着いてから慌てないための準備

どの国でも、仕事を始めるまでに手続きが3つ要ります。税番号の取得、銀行口座の開設、英文の履歴書(CV)の用意です。このうち税番号は、給与の支払いに必要なので後回しにできません。

国ごとの税番号

  • オーストラリア:TFN(Tax File Number)
  • カナダ:SIN(Social Insurance Number)
  • ニュージーランド:IRD番号
  • イギリス:National Insurance number
  • アイルランド:PPS番号

CVは日本の履歴書と違い、写真や生年月日を載せないのが一般的です。職歴は新しい順に書き、接客や調理など応募先に関係する経験を先に出します。渡航前に一度作っておくと、着いた週から応募を始められます。

求人の探し方は、求人サイト、シェアハウスや語学学校の掲示板、そして店に直接CVを持っていく方法の3つが中心です。飲食店では、いまも手渡しのCVから採用が決まることが珍しくありません。

5か国を並べて比べる

国定員最長滞在最低賃金(時給)向いている人
オーストラリアなし1年(条件付きで3年)26.44豪ドルとにかく稼ぎたい
カナダ6,000人台1年州ごと(17カナダドル台〜)一つの職場で経験を積みたい
ニュージーランドなし1年(延長制度あり)23.95NZドル季節の仕事で地方を回りたい
イギリス6,000人(先着)2年12.71ポンド費用を用意して2年で職歴を作りたい
アイルランド800人1年14.15ユーロ枠の競争を覚悟でヨーロッパに住みたい

稼ぐことを優先するならオーストラリア。帰国後に職歴として語れる経験がほしいなら、カナダかイギリス。多くの人はこの2つの軸のどちらかで迷います。

ワーホリは原則として一つの国につき一度しか使えず、どの国も申請できるのは30歳までです。行きたい国が複数あるなら、31歳の誕生日から逆算して、どの国を何歳で使うかを決めておく人もいます。申請の時期はワーホリのビザ申請はいつから?で国別にまとめています。

韓国や台湾、ドイツなど非英語圏の就労事情は非英語圏で就労しやすいワーホリ先4選、職種ごとの条件はワーホリで就ける仕事6選で扱っています。

稼ぐならオーストラリア、職歴を作るならカナダかイギリス

英語圏の5か国なら、どこでも仕事自体は見つかります。違うのは、見つかる仕事の種類と、そこへたどり着くまでのお金と時間です。

定員、最長滞在、最低賃金。この3つを並べたうえで、1年後に何を持ち帰りたいかから国を決めてください。

出典:外務省「ワーキング・ホリデー制度」、オーストラリア内務省、Fair Work Commission、カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)、ニュージーランド移民局・ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)、英国政府(GOV.UK)、在日アイルランド大使館、Citizens Information(アイルランド)、米国務省。数値は2026年9月時点

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